「 | クリスマスの奇跡!」 |
「 | サンタさん・・・・・・?」 |
「 | ここは、森と湖の国。」 |
「 | 初ライブは大成功!」 |
「 | わたしのそら。」 |
|
○ いけずやわー → イジワルねー |
雨上がり。
しっとりぬれた竹の葉からは、まだ丸いしずくがきらめいています。
嵯峨野(さがの)の竹林をゆっくりと歩いていると、
水をふくんだつめたい空気につつまれました。
ざわざわとひびく葉ずれの音が、耳に心地よくひびきます。
突然、目の前に、木の姿そのままの鳥居(とりい)が現れました。
にぎやかな境内(けいだい)を見わたすと、
やっぱり若い女の人が多いみたい。
それもそのはず。
だってここは縁むすびで有名な野宮(ののみや)神社なんです!
私は本殿(ほんでん)にお参りしてから、さっそく縁むすびの神様のところへ。
もちろん、お願いするのは・・・・・・。ヒミツです!
〈千年も前の物語に登場した神社〉
源氏物語(げんじものがたり)で、かなしい別れの場所となった「野宮神社」。
でも、そんな場所が、今では縁むすびで有名な場所になっているなんて、
とてもふしぎです。
だし巻玉子、あなご巻、いろんな種類のたまご焼きがおいてあるお店。
おだしのいい香りが立ちこめる、けずりたてのかつお節のお店。
お茶の葉の青い香りをただよわせるお店。
京つけものが入ったたるをたくさん置くお店・・・・・・。
今日は、京の台所と呼ばれる錦(にしき)市場に来ています。
人でごったがえす通りには、観光客が多いけど、
なかには夕飯のお買い物で来ている人もいるみたい。
今日はどんなおこんだてにしようかな、と考えながら歩いているのかな?
店先を見ながら歩いていたら、まん丸のおナスを発見!
思わず「ふうせんみたいなおナス!」と言うと、
八百屋のおじさんがやってきて、
「これでっか?京野菜の賀茂(かも)なすです。
歯ごたえがようて、おいしいでっせ。
おみそつけて田楽にしはったらよろしいわ」と教えてくれました。
話を聞いてみると、この八百屋さんに並んでいる野菜のほとんどが
“京野菜”と呼ばれているものなんだって。
たしかによく見ると、見たことがあるようでないような野菜ばかり。
京都には、京都専用のお野菜があったんだ。
どんな味がするんだろう???
〈錦市場について〉
四条通を1本北側に入った錦小路(にしきこうじ)。
400mぐらいのところに120あまりのお店がずらりと並びます。
〈京野菜って?〉
ふつうの野菜よりも作るのに手がかかっていて、味が濃いのがとくちょう。
お寺の多い京都では、お坊さんが食べる精進(しょうじん)料理のために
各地方で京野菜が作られるようになったそうです。
賀茂なす・・・・・・ 濃いむらさき色のまん丸なナス。 身がひきしまっていて、 歯ごたえがよいそうです。 |
鹿ヶ谷(ししがたに)かぼちゃ・・・・・・ “おかぼ”と呼ばれるヒョウタンの かたちをしたかぼちゃ。 |
伏見(ふしみ)とうがらし・・・・・・ 細長いかたちから“ひもとう” とも呼ばれる歴史ある京野菜。 |
万願寺(まんがんじ)とうがらし・・・・・・ とうがらしなのに甘いんですって。 たねも少ないので煮ても焼いても おいしいそうです。 |
京芋(きょういも)・・・・・・ 別名「タケノコ芋」。 大きくなると土から タケノコのように 顔を出すそうです。 |
赤ずいき・・・・・・ サトイモのクキの部分。 京都ではよく食べられている食材です。 |
かもうり・・・・・・ 冬瓜(とうがん)のこと。 漢方薬として使われてきたほど、 健康野菜として大切に されてきたんだって。 |
やまのいも・・・・・・ “つくねいも”とも呼ばれる 丸いおイモ。水分が少なくて、 ねばりが強いのがとくちょう。 |
九条葱(くじょうねぎ)・・・・・・
1年中出回る葉ねぎの代表。長さと身のやわらかさがとくちょう。
水がないのに、水の流れが見えるような、
水の音が聞こえるような。
今日、私が行ったのは、枯山水(かれさんすい)の庭です。
枯山水とは、水を用いずに、砂と石だけで表現したお庭のこと。
一見、とても地味なのですが、
想像力をはたらかせて味わうのが、このお庭のみりょくだそうです。
枯山水をながめた時の印象は、
季節や年れい、そのときの心持ちによって、
明らかにちがってくるものだと、住職さんに聞きました。
今はまだ、よくわからないのだけれど、
私がおとなになって、このお庭をながめたら、
どんなことを感じるのでしょうか。
〈お庭があらわす人生のかげとひなた?〉
白い砂の「陽(よう)の庭」。 | 黒い砂の「陰(いん)の庭」。 |
この2つの枯山水庭園は、向かいあってつくられています。
人生のかげひなたを、あざやかに映し出す鏡のようです。
〈今日行ったお寺は?〉
妙心寺退蔵院(みょうしんじ たいぞういん)といいます。
枯山水でも有名ですが、国宝の「瓢鮎図(ひょうねんず)」も見どころ。
日本でいちばん最初に描かれた水墨画なんですって。
ちょっと足をのばして、一乗寺「詩仙堂(しせんどう)」へ。
比叡山(ひえいざ ん)のふもとには、小さなお寺が点在していて、
ほっと心なごむような美しいお庭がたくさん。
白砂の庭園には、秋の初めの草花たち。
しずかなしずかなお庭です。
お寺の門をくぐると、たくさんの石のおじぞうさん?
これは、羅漢(らかん)さん、と呼ばれているそうです。
私は、にっこり笑った羅漢さんに「ようきはりましたね~」と
声をかけられた気がしました。
よく見ると、境内(けいだい)のそこかしこにも
たくさんのコケむした羅漢さんがしずかにすわっています。
なんてたくさんいるんでしょう!その数なんと1200!
みんなそれぞれちがう顔つき、表情、姿、やすらかなほほえみ。
なかには、ネコをだいていたり、お酒を飲んでいたり、
ヘッドフォンをかけて音楽を聞いている羅漢さんもいるみたい!
個性的な羅漢さんを見ていると、まるで人間ウォッチングをしているようです。
しずかな境内は、私にはわからない言葉で話す、
羅漢さんの笑い声とおしゃべりでいっぱいなのかもしれません。
あとで住職さんに聞いてみると、羅漢さんは
お参りにきたひとりひとりが自らの手で願いを込めてほったものだそうです。
人々のすてきな気持ちが、やさしいお顔の羅漢さんになるのでしょうか。
私は、深呼吸をして、目をつぶって、もう一度、深呼吸をして・・・・・・。
羅漢さんの声に耳をすましてみようと思いました。
どんな音楽を聞いているのかな? | ネコのお名前はなんていうの? |
「飲みすぎちゃったかなぁ」。 「まぁまぁ、もう一杯」。 |
ピーヒョロロー♪尺八の練習中。 |
カメラをかまえた羅漢さん。 | 手に持っているのはサッカーボール! |
香りは「かぐ」のではありません。
京都では、香りは「聞く」もの。
鼻でかぐのではなく、心しずかにその香りをゆっくり味わうのだそうです。
今日はお香のお店へ出かけてきました。
香炉(こうろ)がたかれると、ほのかなやさしい香りがただよいます。
まず、右手で香炉をとり、左手にのせ、しっかりと持ちます。
そして、右手で香炉をおおうようにして香りを聞きます。
私は、香炉に顔を近づけて、ゆっくりと香りを吸いこんで、
ほのかな香りに心をかたむけます。
この香りは・・・・・・あ!カレーのにおい・・・・・・?
おねえさんはちょっと笑ってから、
「じゃあ、こちらの香りはどう?味でいえば、甘みがあるでしょう?」
と、次のお香を出してくれました。
香りって、味で表現するんですね・・・・・・。
言われてみれば、たしかに、さっきよりちょっぴり甘い香りがしました。
ちがいがわかるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうだけど、
きちょうなお香の香りに、心安らかな気持ちになりました。
パリで出会った香水たちとはまったくちがう日本の香りって、
さりげなくて、やさしくて、それでいて奥が深くて。
とてもすてきな文化だな、と思いました。
〈香道とは〉
私が今日体験した香りを聞く文化を香道(こうどう)といいます。
茶道や華道は知っていましたが、香道も日本の大切な文化のひとつだそうです。
〈いろんな香りを見つけました!〉
秋の草花を形どった、かわいいにおい袋。
お部屋にかざったり、お洋服に香りを移したり、そっとバッグにしのばせたり。
12カ月の草花のかたちをしたお香。 四季の香りが楽しめるんだって。 |
西陣織(にしじんおり)で作った、 ぜいたくなにおい袋。 お部屋にかざると、いい香りがひろがります。 |
携帯用のお香入れです。 アクセサリー入れにもいいみたい。 |
最高級の香木(こうぼく)を使ったお線香たち。 とってもねだんが高くてびっくり!! |