「 | クリスマスの奇跡!」 |
「 | サンタさん・・・・・・?」 |
「 | ここは、森と湖の国。」 |
「 | 初ライブは大成功!」 |
「 | わたしのそら。」 |
パリの夕日が、白い街並みにしずんでいきます。
遠くのエッフェル塔も手をのばして、
私にさよならをしてくれているみたい。
今日で、おじいちゃん、おばあちゃんともお別れ。
これから私は、ひとりでミラノへ旅立ちます。
「次は、いつ会えるの?」と聞いたら、
「リカちゃんが会いたいと思ったら、いつでも」
と、おばあちゃんはほほえんでくれました。
おじいちゃんも「リカちゃんが帰ってくるまで、
赤いソファーはあけておくからね」と言ってくれました。
涙をこらえていると、
「今しか流せない涙があるんだから、たくさん泣いていいのよ」
と、おばあちゃんがだきしめてくれました。
こらえていた涙が、あふれてきます。
ほのかな香水と甘いパンの香りがまじった、おばあちゃんのにおい。
「すてきなレディーになるために、たくさん泣いたり笑ったりしなさい」。
おじいちゃん、おばあちゃん。
ありがとう。
パリで、私は、少しだけおとなになれたような気がします。
私、きっと、すてきなレディーになるからね。