まだ興奮しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐(ばんさん)」という
とっても有名な絵が、
美術館ではなく、食堂の壁に直接描かれているって、知ってますか?
私はそれをたしかめるために、
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会のとなりにある
修道院(しゅうどういん)へ行ってみました。
この絵と対面した私は、
この瞬間、時間が止まったのかと思いました。
だって、キリストのまわりの12 人の人たちの表情と動作がドラマチックで、
映像を一時停止させたみたいだったから。
動いている瞬間を描いた絵に出会うのは、はじめてかもしれません。
それから、部屋に差し込んでくる太陽の光のせいでしょうか。
絵の中の部屋が、
私たちがいる部屋につづいているかのように見えます。
後ろに描かれている空も、絵の向こうに本当に広がっているみたい。
ここで食事をしていたシスターたちは、
どんなことを思いながら、この絵をながめていたのでしょうか。
教会をあとにした私は、この絵を思い出しながら
近くのカドルナ駅へ歩いていきました。
路面電車のトラムの窓から見るミラノの街は、いつもと変わりなく動いています。
世界遺産のある食堂で、止まったままの時間。
ただの絵のはずなのに、少し胸が苦しいです。
リカが描いた「最後の晩餐(ばんさん)」の絵。
まん中にいるのがイエス・キリスト様です。