カニンケくんと、いろいろな話をしました。
カニンケくんの将来の夢は、お父さんのあとをついで、
牛をかう仕事をつづけることだと、話してくれました。
「ぼくたちマサイ族は、数は減っても、
ほこりを持って生きることは変わらない」。
カニンケくんの目は、大空のその向こうの
はるか未来をみつめているようでした。
「リカはどうなの?
日本の子たちは、どんな夢を持ってるの?」
と、ふいに聞かれて、すぐには答えられませんでした。
私の夢。
私のほこり。
なりたい職業はいろいろあるけど、まだ決められない。
まだ先のことだと思ってた。
自分のこと。将来のこと。
いますぐ決めなきゃいけないわけじゃないけれど。
なんだか自分がすごく子どもに思えた午後でした。