人間の祖先(そせん)が生まれた場所がアフリカなんだって。
人間が、はじめて2本足で立ち上がったとき、
サバンナはどう見えたんでしょうか。
アフリカで、私も、
はじめてひとりで立てたような気がします。
ありがとう、アフリカ!
ゾウもライオンもシマウマも、マサイの人たち、ロッジのみなさんも、
ありがとう!
でも、お別れです。
私は、また旅にでます。
もっともっとアジアのことを知りたいから。
行き先は、アジアでいちばん元気だとパパに教わった、
上海(シャンハイ)という街です。
カニンケくんにお別れを言うと、
とても残念そうな顔をしてから笑って、
「リカが、おとなになるための儀式なんだね。がんばって」と
言ってくれました。
そして、「ダンスの日の言葉を覚えてる?」と言うの。
「ニメクノキのこと?」と私が言うと、
「あれは、スワヒリ語で“君に恋をした”っていう意味だよ。
世界のどこかで、きっとまた会おう!」そう笑ってくれました。
さあ、出発です。
オレンジ色の太陽に照らされたカニンケくんが
手を大きくふってくれています。
「オレセレ!キドゥア!(さようなら!また会いましょう)」と
言う声が聞こえました。
咲き始めたジャカランダのむらさき色の花も
私を見送ってくれているようです。
ありがとう、カニンケ!
ありがとう、アフリカ!
私、ずっと忘れないよ!
私はカニンケくんが見えなくなるまで、
サファリカーからずっと手をふっていました。
風にゆれるジャカランダが、
手をふってくれているようです。