今日は、おだやかな空気がながれる
上海(シャンハイ)の下町と呼ばれるエリアをのんびり歩いてみました。
自転車の修理をしているおじさんと、
ああでもないこうでもないと、
いっしょになって直そうとするお客さん。
道ばたにイスを出し、下着姿のまま涼んでいるおじいちゃん。
野菜売りもそっちのけで、トランプに夢中のおばさんたち。
電線からせんたく物を取りこむ
おばあちゃんがいたかと思えば、
路地をつなぐように干されたせんたく物をくぐって、
元気よく遊びに出かけていく子どもたちもいます。
このなつかしさは、なんだろう・・・・・・?
私は勇気をだして
「ニイハオ!(こんにちは!)」と言ってみました。
すると、みんながやさしい笑顔で「ノンホ!(上海語で、こんにちは!
日本語の方言といっしょで、上海だけで使われていることばです)」
と、あいさつしてくれたんです。
あいさつを交わすうちに、
ツンとしたよそゆきの顔とはまったく別の
素顔の上海に出会えたような気がして、
とってもうれしくなりました!
ふと見ると、小さな男の子が、よちよち歩きしながら
私の後をずっとついてきます。
そしたらね、手に持っていた“あめ玉”をくれたの!
ふふふ。ずいぶん、人なつっこいのね。
きのうはこわい町だと思ったけど、今日はなんだか
上海の町となかよくなれた気がします。
〈消えていく古い路地〉
2010年の万博(ばんぱく)に向けて、
都市計画が急ピッチですすめられている上海。
高層ビルやマンションが次々に建てられ、
そのためにとりこわされていく、昔ながらの古い路地と住宅街。
話を聞いてみると、私が歩いたこの路地も、
今月で姿を消してしまうそうです・・・・・・。
それでも、変わりゆく都市で、上海の人たちはたくましく生きています。