今日も京都の迷路のような路地をてくてく歩いていると、
どこからともなく、トンカラトン、トンカラトンという音が聞こえてきます。
あれ?何の音だろう?
通りから見えたのは、“はたおり”をしている職人さんの姿でした。
ここは西陣(にしじん)、美しいきものや帯を作る町として有名です。
じっと見つめていた私に気づいた職人さんは、
実際に帯を織るところを見学させてくれるというのです。
工房内にところせましとならんでいる木製の機械は、てばた機。
これを使って、西陣(にしじん)の帯を織るんだそうです。
帯のもようは、後から色をつけるのではなく、
色のついた糸を少しずつ、少しずつ織り込んで作っているんだって。
とほうもない作業です。
職人さんの目は、しんけんそのもの。
手に持っている糸は、髪の毛よりもはるかに細い糸。
この糸が1本でも切れてしまったら、帯はだいなしになってしまうそうです。
高級な西陣織は、4800本ものタテ糸とヨコ糸を交差させて
もようを織りあげていくんだって!
織りあがった、もっとも高級とされる“唐織(からおり)”の帯。
かつては将軍様などのかぎられた人や、能装束(お能の衣装)に
用いられていたそうです。
〈西陣織って、どんなもの?〉
千年以上の歴史を持つ、京都市の「西陣」で作られた高級な絹(きぬ)織物。
その技術は大変すばらしく、ほかの産地ではとてもマネができないそうです。
西陣織は、20をこえる工程をへて、やっと完成するそうです。
西陣には、その各工程の職人さんがお店をかまえていて、
町全体がひとつの大きな工場のようです。