石だたみの路地につづく、
祇園(ぎおん)巽橋(たつみばし)。
ここでは、風にゆれるやなぎの葉も、とってもゆったりしています。
そのとき、橋の向こう側から
舞妓(まいこ)さんがゆっくり歩いてくるのが見えました。
まぶたに見えるポツンと赤いアイライン、菊の花かんざし、
ぽっくりぽっくりと音をたてるおこぼ。
すれちがうと、いい香りが私をつつみ込みます。
私は、思わず「ハァ・・・・・・」とため息をもらしてしまいました。
なんであんなにきれいなんだろう?
まるで花が街を歩いているみたい。
あでやかな着物にとってもにあう歩き方、身のこなし、しぐさ。
私は、京の女性の美しい習慣と出会った気持ちになりました。
本当の美しさは、ファッションだけじゃ完成しないのかもしれません。
私もそんな本当の美しさを身につけたいです。
〈舞妓さんって、どんな人?〉
舞いや三味線、唄などで、うたげの席をおもてなしする
京都の芸子(げいこ)さん。その見習いを“舞妓さん”って呼ぶのよ。
舞妓さんといえば、だらりの帯に、四季のあざやかな花かんざし、
そして、ぽっくりぽっくり音をたてるおこぼ(あつ底の下駄)。
そのはなやかさは、町ですれちがうだけで
うれしくなるくらいです。