赤いトンネルのようにつづく伏見稲荷(ふしみいなり)の
千本鳥居(せんぼんとりい)。
まるで、むかし話の迷路にまよいこんでしまったみたい。
鳥居は、そのひとつひとつが、だれかが願いをこめて建てたものだそうです。
赤い鳥居となった願いが、ずっとずっと先まで続いているのが見えます。
大きく息をすいこんで、先へ先へと歩いていると、
吹きはじめた秋の風が、心地よく私を冷やしてくれました。
平安の頃、清少納言(せいしょうなごん)も通ったといわれる
歴史豊かな、この参道。
山のとちゅう、四ツ辻の茶屋で京都の街をながめていると、
とてもすてきなおじいさんとおばあさんに会いました。
おふたりは、これから伏見稲荷にある「ほこら」の
ひとつひとつをめぐる「お山めぐり」をするのだそうです。
声をかけると、
「お稲荷さんにお礼いわなあかんから」とおじいちゃん。
「ほな、いってきます」とおばあちゃん。
おふたりを見送って、私はもう一度、京都の街を見わたしてみました。
はじまりかけた京都の秋。
来月には、木々も千本鳥居のような赤い色に染まることでしょう。
ありがとう、京都。
また、会いにくるからね。
そのときはまた、私をかんげいしてください。
千本鳥居といえば、通路がわかれるココ。
右は、果てしなくつづくような直線の道。
左は、少しカーブしていて、先がよくわからない道。
運命のわかれ道です!
私は・・・・・・、左に決めました!