なつかしい街なみ、見なれた風景、いつも遊んでいた公園。
そよぐ風、たなびく雲、高い高い秋の空。
旅立ったのが、遠い昔のような、ついこの間だったような気がしています。
私といっしょにたくさんの旅をしたスーツケースの音が、
ゴロゴロと聞こえます。
車輪は、私といっしょに急ぎ足になっているみたい。
そのとき、なかよしだった近所のワンちゃんが、
「ワン！」とほえて「おかえり」と言ってくれるのがわかりました。

いよいよ私の家に向かう角。
ドキドキをおさえるために、私は立ち止まって、ひとつ深呼吸。
気持ちをおさえて、角を曲がると
そこには、赤い屋根に大きなテラス、白い窓わくのすてきなおうちが見えたの！
これが私の新しい家！
すると、突然、玄関のドアがバタンとひらき、
ミキちゃんとマキちゃんが「おねえちゃん、おかえり！！」とかけてきます。
もちろん、パパとママ、みつごちゃん、そしてプリンちゃんも！
気がつくと、私はスーツケースをその場にほうりだして、
「ただいまーーーっ！」とかけだしていました。

みんな、みんな！ただいま！ ここが、新しい私のおうち！ ただいま！！！！！