ここは、「12Bar Club」という小さなライブハウス。
今日は、ジェシカちゃんいちおしのバンドのライブを観に行ったんです。
ロンドンを中心に活動している“グレースソレロ”というバンドは、
先月、デビューアルバムがリリースされたばかりなんだって。
私はマリアちゃんと最前列に並びました。
ジェシカちゃんはいちばん後ろでうでぐみして、じっとステージを見つめています。
このバンドのいちばんのとくちょうは・・・・・・女性ボーカルの声!
ナイフのようにするどいのに、とてもあたたかい。
太くてしぶい声なのに、切なくて甘い。
私も、あんなふうに歌ってみたいな。
ライブが終わった後、「私の名前をそのままバンド名にしたのよ!」と、
とても気さくなボーカルのグレースさんが声をかけてくれました。
「リカ、ロンドンの音楽を楽しんで!」。
私にハグとキスをして、グレースさんは楽屋に戻っていきました。
(ハグって、あいさつみたいに、軽くだきあうことだよ)
家に帰るとちゅう、ジェシカちゃんが「ライブやりたいな」と、ぽつりと言いました。
「そうよ。私たち、せっかくこうして出会ったんだから、ライブやりたいわ!」と、
マリアちゃん。
「うん!私も、みんなの前で歌ってみたい!」。
「明日からの練習、もっときびしくするよ!」と、ジェシカちゃん。
「えー!ジェシカちゃん、音楽となると人が変わるからー!」。
「それは、マリアがヘタだからだよ。リカもしっかりギター練習してよね!」。
「わかってるってば!」と、私。
明日からの練習、もっと気合いが入りそうです!!!