「ローマ神話の女神の名前を持つ“オーロラ”がなにか知っていますか?」
先生は、針葉樹(しんようじゅ)の影にふちどりされた
オーロラの写真をさしながら言いました。
さっと手をあげたエミリーが
「太陽の光が空にうつったものだと思います」と発言すると、先生は
「最初、オーロラはそう考えられていました。
でも、実際は、太陽からはなたれたプラズマと
地球の大気(空気の層)がぶつかって見られる現象です。
オーロラの色は、ぶつかりあう空気の種類で変わるの」と教えてくれました。
放課後、私は図書館でオーロラの本を借りました。
ページをめくると、
ピンクから緑へと色の変化が美しいオーロラや
満天の星をすかし見ることができる白銀のオーロラ、
なかには、赤いレースをだきこんだようなオーロラもあります。
これは、地球と宇宙が、夜空のステージでくりひろげるすてきなシンフォニー。
ゆれるオーロラは、地球と宇宙のリズムをきざんでいる気がしました。
私たちの音楽もきっとおなじ。
私とマリアちゃんとジェシカちゃんがぶつかりあって、はじけあって、
いつかそれが私たちの音楽になる。
すてきな夜空の音楽。
いつか、きっと見てみたい。