今日はホストマザーのヘレンさんが
私とマリアちゃんをアフタヌーン・ティーに招待してくれました。
昨日、私は、マリアちゃんとジェシカちゃんに大切なことを伝えたばかり。
今週、私はロンドンをはなれます。
日本に帰る前に、ヘルシンキに行くことにしたんです。
マリアちゃんは涙ぐんで「そうなんだ」と言ってくれましたが、
ジェシカちゃんは、ただじっとうつむいていました。
ヘレンさんがティーポットにお湯をいれると、
湯気がふわっと空中にひろがり、紅茶の香りがただよいます。
私が「ジェシカちゃんは?」と聞くと、
ヘレンさんは白いふうとうをわたしてくれました。
『“親愛なるリカへ”
昨日はごめんね。
リカがいなくなるのがさびしくて、言葉が見つからなかったんだ。
リカ、前にオーロラが見たいって言ってたもんね。
サンタさんにも会えるといいね。おうえんしてるよ。
リカがロンドンに来てくれて本当にうれしかった。
ありがとう。またライブやろうね!
“ジェシカ”』
ジェシカちゃんらしい短い手紙。こんなこと直接言えばいいのに!
ジェシカちゃん。
私たちはずっと“ドーナッツ”のメンバー。
ずっとずっと友達だよ。
〈イギリス人とアフタヌーン・ティー講座〉
悲しいこと、ショックなこと、うれしいこと。
イギリスでは、なにかあると「まずは紅茶を飲みなさい」と言われます。
それほど、イギリス人と紅茶の関係は深いのです。
イギリスの社交の場として使われていたアフタヌーン・ティー。
ただ紅茶を楽しめばいいわけではなく、正式なマナーや部屋の中のかざりつけ、
食器、花、会話など、いろいろと決まり事があるそうです。
正式なアフタヌーン・ティーでは、三段重ねのプレートにもられていて、
サンドイッチ、スコーン、ケーキの順に食べるそうよ。
サンドイッチの具はキュウリが多いみたい。
スコーンには、イチゴやブルーベリーなどのジャムと
生クリームよりもコクのあるクロテッドクリームをつけて食べます。