一歩足をふみいれると、そこは深い深い森のなか。
私が小枝をふんでパキンと音をたてると、
小鳥がびっくりして飛び立つのが聞こえました。
森は、今、しずかにしずかにねむっているかのようです。
しばらく歩くと、かがみのように美しい湖があらわれました。
フィンランドの冬の白い空をくっきりとうつす湖。
妖精(ようせい)が住んでいそうなくらい、とっても神秘的です。
もしかしたら森は、ここに住む妖精に
おやすみなさいの魔法をかけられたのでしょうか。
フィンランドのきびしい冬をのりこえるためにかけられた
やさしい妖精の魔法。
夏の間、森の中を飛びまわっていたムササビさんも、
ベリーをたくさん食べたまんぷくクマさんも、
木の実をいそいそと運んでいたいそがしい野ネズミさんも、
みんなみんな、おやすみ。
ぐっすりねむったら、きっと春になっているからね。
〈ヌークシオ国立公園に行ってきました!〉
白樺(しらかば)の森と湖が美しい、自然豊かな国立公園。
ここには、ハウカランピ湖をぐるりと1周するハイキングコースがあるんですよ。
夏の間は、ベリーやきのこをつみながら歩くのも楽しいそうです。
〈森と生きるフィンランドの人たち〉
森と湖の国といわれるフィンランド。この国の約7割が森林だそうです。
そして森には、目に見えない精霊(せいれい)がたくさん住んでいる、
と考えているフィンランドの人たち。
木を切るときもオノで2回木をたたき、精霊に合図してから切るそうです。
ちなみにフィンランドでは、国の土地でもだれかの土地でも、
野生のベリーやきのこをとるのは自由!
森のめぐみをすべての人がわかちあうように法律で決まっているそうです。すてきね!