耳がキーンとするほど、しずか。
目がチカチカするほど、まっ白。
気温マイナス11度。
とうとうここまで来てしまいました。
雪にかくれてしまっているけれど、ここが北極圏(ほっきょくけん)の入り口。
むずかしくいうと、北緯(ほくい)66度33分という位置なんだそうです。
まさか、こんなところに来てしまうなんて思わなかった。
じっとしていると、しぜんに歯がガチガチいって、
思わず、足ぶみしてしまうくらい寒いです。
私の息づかいも、声も、足音もぜんぶ雪に吸収されて、こわいほどしずかなの。
世界には、いつも真夏のような場所や
車や人ごみの音がずっと鳴りひびく場所があるのに、
こんなに寒くてしずかな場所もあるかと思うと、とってもふしぎです。
またひとつ、私の知らない世界が、ひろがっている気がします。
でも、ついに私の夢がかなうんです。
きっときっと、私は、サンタさんとオーロラを見つけたいと思います。
〈北極圏のふしぎな季節!〉
たてに長いフィンランド。
ここロヴァニエミは、ラップランドという北の地方の玄関口。
ヘルシンキよりもずっとずっと昼の時間が短くて、
今日も午後2時には太陽がしずんでしまいました。
なんと、北極圏より北には、こんなふしぎな季節があるんですって!
○カーモス・・・・・・
11月末から1月中旬まで続く、1日中太陽がのぼらない時期。
太陽の光が地平線の下からもれてきて、あたりを紫やピンクにそめるんだって。
青くそまる朝のひととき“シニネン・ヘトキ(青いしゅんかん)”も
北極圏ならではの幻想的な光景なんだそうです。
○ミッドナイト・サン(真夜中の太陽)・・・・・・
5月中旬から7月中旬まで続く、1日中太陽がしずまない時期。
夜の11時頃に夕暮れがおとずれて、
まっ暗になる前に、また太陽がのぼりだすんだって。
“白夜(びゃくや)”とも呼ばれています。